

台鉄で台中から苗栗へと移動。77元。
既に台湾を半周近くしている。


観光地ではない苗栗は日本の地方都市の駅前のような高いビルもあれど人はまばらで落ち着いた雰囲気。


駅前ロータリーのすぐ横にバスターミナルを発見。かなり年季の入った建物であった。
行き先となるバスを探す。
窓口で確認すると十五分後ぐらいにバスが出るようだ。


バスに乗る際に何度も行き先を確認。
チケットの買い方が分からず運転手と揉めていたところ英語を話せる女子高生が助けてくれた。
どうやら行き先が終点ではないため日本のバスと同じように行き先に応じて値段が変わるシステムで今回は60元だった。


目的のバス停に到着。
出磺坑というところで台湾で最初の油井が掘られたことに由来する。


ここには台湾中油という台湾の石油会社の博物館(陳列館)があって今回はそこを訪問するのが目的だ。
バス停横には大きな吊り橋があってこれで川を渡ると博物館側に出られる。


川沿いの高速道路と橋。
日本の地方でも見られそうな光景だ。


坂を上っていくと博物館が見えてきた。
ここまでの行き方はインターネット上で探してもなかなか無く調べるのには苦労した


博物館前には一号油井の記念碑。
記述を見ると1817年と記載されている。これは世界的にも時期としてかなり早い。


油井の採油装置。


博物館へと入る。



しかしメインの建物の扉が何故か開かない!
と思ったらまさかの休館中であった!


仕方ないので周りを色々みることに。
この長い坂はどうやら油田へと繋がっているようで, 掘削・採油に用いる装置を運ぶためのトロッコ用軌道が設置されている。


付近にあった家屋はどうやら昔の作業員宿舎のようだ。
今は使われていないために雑然としている。



と思いきや, まさかの現在進行形で住んでいる人がいたのには驚かされた。



看板には日式宿舎群とある。
どうやらこの建物達日本統治時代に建てられたもののようだ。


確かに建物は日本家屋そのものである。
しかし, 石油開発のために戦前から建てられたものがそのまま残っているとは歴史のロマンを感じずにはいられない。










事務所みたいなところでは資料陳列室というのがあり, 実際に使われていた技術文書や油田管理書類などが保管されている。


トロッコの坂を登っていき, 案内看板に沿って途中から山の方へ入ってみることにした。
使われなくなったボロボロの古い建物の庭らしきところを通過して山へと入っていく。


この山道がめちゃめちゃ大変で一応舗装されているけど, ほとんど山の自然と同化しかけている。



途中の小さな橋では床の板が割れていたり草木に行く手を阻まれたりと困難な道になっている。


しかしこの山道の中では時折実際に使われていたのであろう油井と遭遇する。
今は使われておらず配管は繋がっていないのだが, 圧力計などは往時のものだろうか。



この油井の周りをうろうろ見ていたらまさかの木の床板の底が抜けて片足を思いっきり突っ込んで擦り傷を負ってしまった。


更に更に進んでいくと行く手を阻む大きな倒木。


記念碑的なものを発見。


更に上を目指すともはや道が無くなってしまった。
これ以上先にはめったに人は進まないのだろう。
博物館のある標高からも大分離れてしまい, 他に人も来そうにないため安全を考えてここらで下山する事とした。

続く。