バクーから南部の泥火山や世界遺産のあるゴブスタンへ。
石油の国だけあり道の途中には沢山の石油井が凄い密度で存在する。



カスピ海沿いを走ると井戸だけでなく海洋掘削リグも見えてくる。



首都バクーから離れると建物が段々と無くなり荒野が広がる。
ただ, ところどころに工場など産業施設が建てられている。




ゴブスタンに到着。
ここで泥火山への行き方が分からなくなり地元のタクシードライバーに道順を尋ねる。


泥火山への道のりは完全なるオフロード。
ガタガタと揺れる道を数十分走り続ける。周りは荒々しい自然の広がるなかなかの景色。



到着した山の頂上には泥が岩から湧き出ている。
アゼルバイジャンには地球に存在する泥火山の半分程度が集中している国。たまに自然災害並みの巨大な炎を噴き上げる事もあるそうだ。泥火山はよくも悪くもこの国の名物である。
ちなみに泥火山は地表面上だけでなく周辺カスピ海地域の海底面下にも存在している。
拝火教の生まれた地域でもあるのだが, このような自然環境と無関係ではないだろう。


岩に囲まれた小さな火口には泥がたまっていて中からガスが出てきているのかコポコポと大きな泡のようなものを作っては消えていく。
外に出た泥は時間とともに固まっていくようだ。



荒々しい乾いた大地。


傍にある池からも天然ガスが湧き出ているようだ。
そして, 隣接地域のゴブスタンの博物館へと移動する。 入場料を支払って博物館の中へ。



ゴブスタンは戦士や舞踏や隊商など先史時代の様子が壁画として残されている場所だ。



ゴブスタンの壁画と奇岩。


この日は平日。
学校として来ているのか, 小中学生も沢山見学に来ていた。




再びカスピ海をを眺めながらバクーへと戻っていく。



新旧の街並みが入り混じったバクーの光景。




バクーを通り過ぎてアブシェロン半島の先端方向へと進む。



スラハニという地域にある拝火教寺院へとやってきた。
ドライバーいわくかつてはこの国にもゾロアスター教徒がいたそうだが, 今ではイスラム教シーア派が主で観光以上の意味を持って訪れる現地の人はいないそう。
しかしながら, インドなどには一部ゾロアスター教徒が残っており(ペルシャにいた教徒がインドへと移動していった)彼らはよく見にここへやってくるのだそうだ。
ちなみにインドで有名なタタ財閥はこの系統である。



こちらの写真はバクー郊外に実在する太古の昔よりガスが地下から発生して燃え続けている場所。
今回は訪れなかったが, 現在も実在していて訪問する事ができる。






この後地元の人の暮らしが見たくてドライバーの家に連れて行って貰った。
家は丘の上にあって丘の斜面に沿って一軒家や集合住宅が建ち並ぶ団地のような場所。
そんな生活感溢れる地域にも石油井が日常風景に溶け込んでいるのが面白いところでもある。


現地の人にとってはなじみ深いアゼルチャイでおもてなしして貰った。ちょっとした現地のお菓子と一緒に飲むのがアゼル流だ。
父親と息子二人, そして孫と三世代にわたって一緒に住んでいる。そして家畜の鶏とペットの犬も一緒だ。


犬はイスラム圏では忌避されていて中東ではほとんど見かけないだけに意外であった。
ソ連時代の長かった事による宗教色の薄れがなすものだろうか。

地下からガスが出てくる泥火山とアゼルバイジャン国内で進められる油ガス田開発, そして拝火教ことゾロアスター教,
これらアゼルバイジャンという国を特徴づける存在は偶然ではなくすべてこの地域の地球環境が生み出した当然の帰結なのであった。