【山岳少数民族の村へ】北部インドシナ半島縦断その3:チェンマイのグランドキャニオンをスルーしてモン族に会いに行く

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チェンマイのグランドキャニオンへ

ランプーンの町を回った後には, チェンマイのグランドキャニオンと言われるハーンドン・グランドキャニオンというところへ立ち寄る事とした。

レンタルしたバイクを走らせて, 西方へと向かってから, チェンマイへの4車線道路を北上していく。

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バイパスを北上していくと途中で見逃しそうになったが, 曲がる交差点を見つけた。といってもあまり目立つものではなかった。

登っていくと人気がないので少々不安にはなるのだが, GPSを使いながら目的地へと到着すると駐車場の横には広大な窪地が存在する。かつて鉱山開発の現場であったこの窪地に水が張っており, ウォーターパークとして運営されているのだ。

中に入り写真でも撮ろうかと思い値段を聞くと, タイとは思えない程非常に高かったため, あきらめて帰る事とした。

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ところでパーイという近辺の町にもグランドキャニオンと呼ばれる場所があり, 夕日が綺麗なのだ。本当はそこに行きたかったのだが, 場所を勘違いしてしまい, ここに行き着いてしまった。その場所はどこなのかと, この辺りをバイクでしばらく探し回ってしまったが, 無駄足であった。

タイ国内には他にもグランドキャニオンと称される場所があり, もはやバーゲンセール状態だ。何故こんなにグランドキャニオンと呼ばれているスポットが多いのか。。

という事でウォーターパークは壁越しに写真を撮ったのみでスルーして気を取り直して新たな目的地を目指す。

山岳少数民族であるモン族の村へ

Google Mapでチェンマイ周辺を見ていた時に偶然に見つけたモン族の村(Mong Village)という場所へ行ってみることとした。まずは一度チェンマイ市街まで戻り, そこから西へチェンマイ大学の前を通り過ぎて, 山の上へと登ってゆく。

地図上ではチェンマイから結構近い場所に位置しているのだが, 実際に登ってみると結構な時間がかかってしまった。道がつづら折りになっている上, 結構な勾配があるので原付バイクだと速度があまり出ないのだ。

途中観光スポットとなっている寺院があったので, 参道の屋台でパンケーキを購入し, 簡単な朝食以来何も食べていなかった腹を満たした。この寺院は地元のタイ人に人気があるようで国旗も沢山掲げられており, 大変賑わっていた。

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それからぐんぐん登っていくとモン族の村らしきところに着いた。ところが地図を確認すると自分が目的としていた場所ではないようだ。中に入っていくと道の両脇にずらっと土産物屋が並んでいる。どうやらここは観光村のようだ。タイ北部には少数民族の観光村が沢山あり, 中に入ると民族衣装に着飾った村人が土産物屋をやっている。こういった商売目的に作られた村に入るためには相応の入村料を支払わなければならない。特に人気で有名なのは首長族の村である。だが, こういった場所は元々タイ・ミャンマー国境付近に住んでいたカレン族商業目的に連れてきて, あるいは出稼ぎに来ている。写真を撮ろうとすれば, チップを要求してくる行為など, あまりに俗化しすぎてショックを受ける人も多いそうだ。

首長族はミャンマーのタチレクにある観光村やインレー湖の観光コース等でも出会う事ができる。シビアな話ではあるが, 世界的に知名度があり, 見た目のインパクトも大きい民族は観光誘客のために引っ張りだこなのだ。こういった場所は大都市の近くにあればあるほど, 観光客の多さから俗化が進んでおり, 反対に行きにくい場所にある少数民族村ほど, 実態に近い生活を見ることができる。

アフリカのマサイなどといった部族が文明を享受しているにも関わらず, TVや観光客のためにわざと民族衣装を着たり, 舞踊をしたりとあえて原始的な行為をしてお金を請求するのと同様の現象が起きているのだ。少数民族のリアルな生活に興味があった自分には, 観光用人工的地区には興味をそそられなかった。また観光用だとしてもあまりに規模が小さすぎて観光客を満足させるようなものではなかった。

そのため早々にここを跡にして, 更に山奥へとバイクを走らせるのだが, ここから急に路面状態が悪くなってしまった。道路のアスファルトが半分ぐらい剥がれかけており, 目を凝らしながら残ったアスファルト部分をできるだけ選びつつ進まなければならない。

よけいに走るスピードも遅くなる。どうやらこの先へ進んでいく者はあまり多くいないようだ。

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ちょっとした辺境っぽい雰囲気で反対に俄然やる気が出てきた自分はできるだけガソリンの無駄使いはしないようにしつつも, ルートを選びながら, 道を行く。するといつの間にか下り道になっていった。この先に少数民族の村があった。

やっとこさ村へ着くと山の斜面一帯に見事に民家や商店が軒を連ねていた。村の入り口では少数民族っぽい服を着た子供達が追いかけっこをして遊んでいる。どうやら村の入り口近辺が土産物エリアとなっているようだ。またタイ国王の絵も堂々と掲げられている。そういえばタイ王室はタイ辺境地での産業育成などにも力を入れていたはずだからこのような僻地においても敬意の対象なのだろう。

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入り口付近のお土産エリアを通り過ぎて丘を上がっていくと家畜小屋などより本来の生活を垣間見ることもできる。 

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そして反対に村の入り口から斜面を下っていくとなかなか立派な学校もあった。そして驚いた事に日本人が寄付して建設された校舎もある。こんな辺境地まで日本人の手が及んでいるのは不思議な発見だが, やはり誇らしい気持ちになる。

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ちょっと奥の路地裏へ入っていくと何だか絵になる子供達の遊んでいるシーンも。門構えの雰囲気はタイの町では見かけない独特の様式である。家の中では両親がTVを見ていて挨拶すると和やかに返事をしてくれた。

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最後に地元の商店で地域貢献を兼ねて買い物をしてからこの日は日没前にチェンマイの街へと戻っていった。