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JAL Sky Museumへ
JALマイレージには長らく御世話になった。
特に2017年末のシステム変更までは非常に使いやすく、予約している状態でも別途キャンセル待ちを使えたし, キャンセル待ちの空きが出る可能性も非常に高かった。
だから, ハイシーズンであってもとりあえず空いたところに予約をし, 本命にキャンセル待ちをかけておくというテクニックで大体何とかなったものだ。
しかし2017年末のシステム変更により, 予約しながら別便にキャンセル待ちをかける事ができなくなった。
しかも, 純粋なキャンセル待ちであっても一週間で無効になってしまう。だから, 予約がとれるまで頻繁にやり直さなければならなくなってしまった。
LCC網が発達してしまった今でこそ利用する機会も少なくなってしまったが, とはいえ混雑時期は難しくても, 週末海外旅行には大いにマイレージを活用してよく計画していたものだ。
JALクレジットカードでの買い物もして地道に貯めているのだ。
何よりフライトをすっぽかしかけたピンチに何度もJALには助けられていたから愛着は少なからずある。
行き先によっては他の国のFlag CarrierのBusiness ClassよりもJALのEconomy Classの方が食事が美味しい, などと友達と話する事もあった。
今回はそんなJALの整備工場を訪問した。
浜松町駅からモノレールに乗り込む。
この路線を利用するほとんどの乗客は終点近辺の羽田空港まで行く。
だから, 時間のかかる各駅停車はあまり使われていない。
それゆえ自分もそんな駅が存在する事さえ知らなかったのだが, 羽田空港国際線ビル駅と羽田空港第1ビル駅の間に新操車場駅というのがあるのだ。
周りにろくにお店もないような, この駅から歩いて5分ほどのところにJALのメンテナンスセンターがある。


中に入って受付を済ませて3階へ上がっていくと, 展示フロアが広がっている。
訪問者用の部屋が沢山あるフロアで沢山の人が訪れていた。
コックピットの展示やJALの制服を試着するコーナーが特に人気であった。



昔のJALのポスター。
かつて飛行機の航続距離が短く, またソ連が外国機の領空飛行を禁じていたため, 日本から欧州へ行くにはアラスカのアンカレッジで給油して北極海上空を飛んで迂回(ポーラールート)しなければならなかった。(他にアジア各地を経由する南廻りも)
右のポスターは領空飛行が解禁となり速くヨーロッパへ行けるようになった時のものではないかと思われる。

その後, 飛行機の航続距離も長くなり, かつては欧米へ赴く給油待ちの日本人で賑わったアンカレッジ空港(高額で不味いうどんを皆が食べる事で有名だったそう)の旅客輸送は激減してしまった。(NYから台北行きのエバー航空便で給油寄港を今もしている)
しかし空港の名前はあまり聞かなくなったものの, 北半球のどこへでもアクセスが良い立地を生かして, 航空貨物輸送の拠点都市として今でも重要な機能を担っている拠点空港だ。
下図は戦前の航空路線図。
日本から朝鮮や満州, 台湾, そして中国の南京やバンコクまで, またパラオなど南洋方面にも行けたようだ。
しかし, 戦前・戦中に海外へ渡った人達を描いた本など読んでも船で皆渡航しているようで, あまりイメージが湧かない。
しかし, そういえば出光を題材とした『海賊と呼ばれた男』の映画では仕事で飛行機移動するシーンがあったから, 当時もそういう空路出張があったのだろうか。


飛行機の手旗信号(マーシャリング)ゲームもあった。
下記は実物のピトー管。飛行機の速度計だ。




JALのフライトアテンダントの歴代制服展示も。
スチュワーデスと呼ばれていた頃の制服は今では考えられないほど派手なものや丈の短いものもある。
見慣れた現在のデザインは落ち着いたお洒落でほっと安心する。

工場へ
建物の隣にある工場へ入っていくと, そこには広い空間が。飛行機が何機か駐機できるうようになっており, 修繕ができる設備があった。


有志が製作したミニチュアも展示されている。
侮るなかれ。これ本当に飛ばす事ができるのだそう。
隣にあるもう一つの工場へ移動。
床の絨毯は飛行機内に敷かれていた実物だ。


通路から見える建物では機内食を作っているそうだ。
政府専用機
隣の工場でいきなり政府専用機を発見!
先ほどメンテナンスが終わり, 外に出したそうだ。


普段空港などでは見る事のできない飛行機の後ろ姿。
正面へ回ると下図。ボーイング737との事。見分け方を説明してくれた。
737は小さいので, 他では真ん丸なエンジンがおむすび型なのが特徴であり,
整備士が下へ入れるようにするためなのだそう。


遂に日本国政府専用機のすぐ目の前まで。
747-400型機のジャンボジェットである。
日の丸のシンプルなデザインとジャンボ特有のフォルムが美しい堂々たる風格。
中には執務室やベッド, 記者会見席や関係者席があるそうだ。
これと同じものがもう一機あって, どちらかに皇室や総理大臣が搭乗して, もう片方は副務機として一緒に飛行するのだ。

後ろには川崎の工場地帯が広がっているが, 手前にある滑走路で2分に1度ぐらいの頻繁なペースで飛行機がランディングしている。
沢山の工場見学者がこの前で記念撮影をしていた。
とはいえ工場外には出てはいけないのでレールより向こう側は立ち入り禁止である。
ところで政府専用機は2019年からボーイング777へ変更となる。
現在の747は古くて交換部品などが製造されていないパーツもあるため, 整備が困難になってきたそうなのだ。
新しいボーイング777の機体整備はANAへ委託されている。だからJALで機体整備工場で政府専用機を見られるのはこれが最後となるのかもしれない。
