この記事のもくじ
バックパッカーデビュー
初めてのバックパッカー旅行をした昔の話
以前にベトナムを飛行機も使いながら北部・中部・南部と見て回ってからというもの, 人のアレンジに頼らず自分の力でバス旅をしてみたいという思いに駆られていた。
元々日本国内を自転車や青春18切符で旅してきたのでツアーという煩わしい形ではなく自分の気分で行くところを決めていく旅が好きだった。
なので飛行機は使ったものの自分達の手配で海外を旅する面白さに目覚めたのだ。
本やインターネットで情報収集してみるとバンコクからカンボジアのアンコールワット観光拠点シエムリアップへ行くのが最も旅人にメジャーな初心者向けルートの一つであるという事が分かった。
そこで人生初めての陸路国境越えに挑戦する。
そしてこの旅以来飛行機を使わず地べたを這って行く旅にはまっていくこととなり数々の旅に再び出ていくのが今回のバックパッカーデビューした旅の話である。
シエムリアップへ
まず最初にシエムリ・アップだと, ずっと思っていた。
アンコール・ワットはカンボジアは元よりアジアを代表する観光地だけあって, 周りに訪れた事のある友達も多かった。
だから遺跡の名や最寄りの街の名前も聞いてはいたのだが, まさか・・・
シエム・リアップだったとは!
そこで区切るのかという驚きが。
とにかくバンコクからシエムリアップ行きの国際バスをあらかじめ日本から予約しておいた。
現地で買っておいても良かったのだろうが, この時は初めての国境越えだったのであらかじめ予約しておかないと不安だったのだ。
バンコクのローカルなショッピングセンターの代理店でチケットを受け取って明朝モーチットバスターミナルから乗り込む。
いざカンボジアへ
カンボジアにはANAが直行便を飛ばしている。
もちろんこれに乗れば一番早いのだが, JALマイレージトラベラーであったのでJALの直行便が飛ぶバンコクへ行き, そこから陸路をバスでカンボジアのシエムリアップへ行くのが自分にとって最も安い手段でもあった。
バスに揺られる事数時間タイ国境の街アランヤプラテートに到着する。
タイの道路は田舎まで舗装路が整備されていて特段の不便はなかった。
本音ではもっと発展途上国的な雰囲気を想定していてむしろそういう状況を期待していたところもあっただけに意外な一面であった。
とはいえ陸路国境という今まで自分が経験したことのないものを初めて見た時の事は忘れられない。
目の前に立ちはだかる大きな関門と田舎街にも関わらず大量の物資と人が行き交う光景。大都市バンコクでは見かけない大八車のような乗り物。
ここに国の境界があるという事は十分に感じられた。
一方でその雰囲気にはあまりにも似つかわしくないカンボジア側の粗末な国境審査の建物もまた最も印象的なものの一つだ。


国境の門はアンコールワットなどで見られるクメール建築様式。
タイ出国のためにバスを降りると沢山のビザブローカーが群がる。
彼らはビザ申請代行をしてくれるのだが, 結構な高い手数料を徴収してくる。
あらかじめ日本でeVISAを取得しておいたので頼む必要はなく
最初に一言もうVISAを持っていると言うと絡まれずに済んだ。

カンボジアとタイの国境審査の間は自分の足で歩かなければならない。
インフラ整備が追いついておらず雨が降った後の歩道は泥だらけだ。
下の右側の建物がカンボジアの国境審査の建物。
あらかじめ教えられなければ気付かない事間違いなしだろう。


カンボジアとタイはプレアビヒア寺院など国境地帯で領有権に関する紛争を抱えているが特段ものものしい感じなど至って穏やかな雰囲気だ。
バスはエンジンのオーバーヒートを防ぐため休憩中は開けて冷やしておく。
熱帯のアジアではしばしば見かける様子だ。
カジノの中を見たりしながら皆の国境審査が終わるのを待って, シエムリアップへ向かう。
流石にカンボジアはタイほどインフラは整備されておらず道路の脇は未舗装なので実質きちんと舗装されているのは2車線分ギリギリぐらいの幅だった。
対向車両と行き交う度に少し未舗装の部分にもはみ出しながら進んでいく。
といってもやはりカンボジアの中でも主要な道路の一つという事もありメンテはされているようシエムリアップまでの道のりで舗装が成っていないよう部分はなかった。
ただし, 一本国道をそれれば当然のごとく土の道である。
シエムリアップへ到着
シエムリアップの町はずれに到着した。
どうやらここがバス会社の事務所兼発着ターミナルとなっているようだ。
到着した場所で帰りのチケットを購入するが3,000円分ほどだったかと思う。
ドルでしか受け付けておらず相場が分かっていない状況で両替レートを呑んでしまったため結構な額が上乗せされたようだ。
後々町中で色んな会社のバス料金を見てみると1千円代でもバンコクまで行けるようだ。


バスの到着地にはトゥクトゥクドライバーが沢山待機している。
どれも結構ふっかけてきているようなので歩いて街中へ向かうこととした。
その途中で両替所やレンタルモーターバイクやレンタサイクルを探す。
とある古びた建物のところでレートの良い両替屋を発見した。
しかし何か怪しい。
カンボジアは自国通貨の信用ができないためにドルを使うがあまりにもレートが良すぎる。
そういえば北朝鮮が偽USドルを刷っていて, ラオスから近隣諸国にばらまいているという噂も耳にした。
ここのは偽札の可能性が高いと判断して他の両替屋を探す事とした。

結局銀行系の場所で両替してホテルに荷物を置いた頃には完全にあたりは暗くなっていた。
しかしそこはアンコールワットの最寄りで旅行者の集まる街。
歩いてきた未舗装のインフラには似つかわしくない煌々とした明かりで照らされる繁華街。
写真では伝わらないが, あらゆるところからクラブミュージックが聞こえてくる。
トゥクトゥクもメルセデスやレクサスと表示された高級車?が止まっている。


落ち着かないので町はずれの屋台から地元の人達が沢山出入りしている屋台で食事をする。
カンボジアには食を期待していなかったが, ここの食事は最高に美味しかった。
配膳や清算など屋台の親父の娘が手伝っていて客の注文を取り次ぐ。
小学生くらいの年齢だが客に大分可愛がられていてこの店の看板娘のようだ。
隣で食べていた地元の人達とも喋ることができ大満足だ。
この街は観光で成り立っているため, 満足に学校へ行けなかった人達でも英語がすごく上手らしい。
