【ホーチミンからプノンペンへの国境越え】インドシナ・マレー半島縦横断その1

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陸路で国境を超える面白さ

前年にバンコクから訪れたアンコールワットへのバスにて初めて陸路での国境越えを経験した。その際に味わった国境での人や物資の往来の激しさ, 国境という概念の曖昧さ, 国境を渡る事で変化しない事柄と大きく変わる環境の変化を味わい, この雰囲気を味わう事に興奮を覚えると同時に自分の知的好奇心が多いに刺激される体験を味わった。

その経験が忘れられず, この旅から半年ほど経過した年末年始, ベトナムはホーチミンからマレー半島の先端シンガポールまで陸路で旅をする事とした。

日本からベトナムのホーチミンへ

日本からの夜行便でホーチミンに到着した後, 現地でプノンペンまでのバスチケットを購入。

ホーチミンではマーケット近くのデタム通りブイビエン通り周辺がバンコクのカオサンのように旅人が集まる地区となっており, バス会社やツアー会社, 飲食店, 安価な宿が集中している。

一通り周ると会社によりバスチケットの価格も大きく異なる事が分かった。結局一番安いチケットを購入したのだが, それでもプノンペンまでは距離が近いため, VIPバスでなくとも全く問題はなかった。値段は110,000ドン程度だった。

バスの出発は明朝なので, ブラブラする。近くの市場では朝市をやっていたようで, 野菜・果物・魚介類などなどを扱う活気溢れる市場があった。観光客が沢山出入りするベンタン市場よりもよほどローカル感が漂うところであった。

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近くに予約しておいたホテルで一眠りしてから, お昼過ぎにまた外へ繰り出す。

美味しいと評判のブイビエン通り沿いのお店でブンチャーという名前のベトナム流つけ麺を食す。

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このつけ麺はベトナムでBun Chaと呼ばれており, スープは牛肉の出汁がしっかり出ていて, 非常に味わい深い。パクチーと合わせてさっぱり食べるのがインドシナ流だ。

以前にベトナムを縦断した際, 発祥と言われるハノイで食してみて, その美味しさに感動し, ホーチミンでも食べてみたかったのである。ここは旅行者が多いエリアにあるためか, インスタ映えするようなお洒落な見栄えの盛り付け方が特徴でもある。

その後, ホーチミンの中心街やブイビエンをブラブラする。クリスマスシーズンだからか, 地元民も旅行者も多くの人出があり, 大変賑わっていた。

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ブイビエン通りでは人でごった返しているにも関わらず, 花火のパフォーマンスをする人が。確かに綺麗なのだが, これのせいで人が詰まっていて完全なる通行の妨げ!

飲み屋も客が沢山いるからか道路に大きくはみ出して路上に椅子を置いているため, 歩きにくくてしょうがない。歩こうと思っても, 前の人が全然進まないため, 一区画歩くのに30分くらいかかる。

人混み疲れしてしまったため, 気になっていた路地裏にある卵コーヒーのお店で一服。

コーヒーに卵のトロトロ具合が合わさって, 優しい味わい。ベトナムのコーヒー文化は非常に独特で興味深い。

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ホーチミンからバスでプノンペンへの意外な入国審査

翌朝チケットを購入した旅行会社の前に止まっているバスに乗り込む。隣の席がたまたま日本人で最初喋っていたのだが, 気づいたら寝てしまっていたようで, 起きた時には既に国境に到着していた。

ベトナムからカンボジアへの入国は非常に簡単に終わり, わざわざ入国審査の前に立ち, 質疑応答をするといったような事もなく, バス会社のスタッフが全員分のパスポートを集め, まとめて入国審査をして貰えた。そのため, 国境ではあまり時間を食う事はなかった。(結果的に写真を撮影している暇がなかったが) 

あっけなく通過してしまったため, 以前に通過したタイ・カンボジア間のような多くの人が行き交う濃ゆい匂いを放った国境の興奮を感じることもなく, 肩透かしをくらってしまった。

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日本との絆を感じて, アジアハイウェイ1号線を行く

ベトナムの最大商業都市ホーチミンとカンボジアの首都プノンペンを結ぶのはアジアハイウェイ1号線(AH1)である。これはアジアの中でも最も重要な道路であることを意味しており, 日本の東京からトルコにまで至るルートの一部に含まれている。

アジアハイウェイ1号線 – Wikipedia

東南アジアにおいてはベトナム縦断ルート, そしてホーチミンからカンボジア・プノンペン, タイ・バンコク, ミャンマー・マンダレーを経由してインドへ抜けるルートとなる。

道のどこかにそれと示したAH1の標識があるという噂も聞いていたが, 残念ながら見つけることはできなかった。

一方でこのルートは日本のJICAが支援する南部経済回廊の一部でもある。これはタイあるいはミャンマーからベトナムまでを移動する道路インフラの整備を支援するプロジェクトである。

カンボジア側の道の途中ではメコン川に架かる橋を通る事となる。この橋はネアックルン橋, 別名つばさ橋と呼ばれ, 日本の援助により建設されたものである。

この橋は2015年と比較的最近になって完成したのだが, それ以前の旅人や現地民はフェリーで渡らなければならず, 不便を強いられたようだ。

((JICA HPより))

アジアを旅していると日本のインフラ援助が, 現地の人々に役に立っている状況にしばしば出くわすが, 誇りに思うと同時に, 我々旅行者自身の助けにもなっており, 本当に有難く感じる。

カンボジア政府はこの援助に感謝をして, この橋と日章旗が描かれた500リエル紙幣も発行している。

そしてプノンペンへ

その2に続く。