【下町市場は昔ながらのアラブな雰囲気】UAE街紹介シリーズ②シャルジャ編エピローグ

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魚市場の競り

シャルジャ街歩きを終えた後, もう他に見るところもないかと思ってもいたが, 再び友人とシャルジャを訪れる機会があった。 

UAEは11月のこの時期は涼しくて過ごしやすい季節。

欧米からの避寒地としても旅行者が集まりホテルの値段は夏と比べて2倍近くまで上がる冬のハイシーズンが始まる頃だ。

とはいえこの日訪れたシャルジャは彼らが集まるドバイの喧騒とはかけ離れたところでもある。

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いつものようにバスターミナルへ到着した後, 目の前のフィッシュマーケットへ先ずは行く。 

中の店は前回と同じように魚屋が並ぶ。

そして市場横の海岸沿いには漁船が停泊している。

魚市場から他の場所へ移ろうと, 正面玄関へ戻ってくると, 今まで屋台のような店舗が並んでいた中央エリアに何故か魚が床に並べられている

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何が始まるんだろうかと思ってみていると, 魚市場で働く業者らしき人達もわらわらと集まってきた。

どうやら魚のセリが始まるようだ。

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そういえばさっき市場外の海岸線でちょうどダウ船から大量の魚を水揚げしていたから, その魚なのだろうか

仕切り役の数人のグループが仕入れ業者に呼びかける人, 記録を付ける人, 代金を回収する人, 魚を並べる人, セリ後に魚をまとめる人に別れてセリを仕切る。

中でも業者からの値段提示を促す人が中心人物だ。

この人はカンドゥーラという伝統衣装を身にまとったUAE国民であった

おそらくさっきの漁船のオウナーなのではないか。

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そして伝統衣装を身にまといながら業者達に声を掛けて, あるいは時に視線だけで丁々発止のやりとりをしてセリを仕切るこの人達がとても格好良い

金持ち首長国であるドバイやアブダビでは国民といえば何かと富裕層のイメージで見られており, 現場仕事はやらないイメージがあるのだが,

それ以外の北部首長国では施設こそ新しけれど, こういった昔からあったはずの仕事を国民が今でも請け負って続けている光景が見られる。

面白かったのが, 呼びかけの声がだみ声であった事だ。

日本でも築地をはじめとする魚市場でのセリの話し方はだみ声で特徴的だが, これは世界共通なのだろうか

花市場を通って動物市場

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魚市場からクリケットで遊ぶ人達の空き地と花市場を通過して付近の動物市場へと移動。

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ここでは羊やヤギ, 牛, 馬などが飼われているようだ。

流石にイスラム教で食すことが禁じられている豚は見られなかった

そういえば魚市場は衛生面の管理が行き届いていて近代的な施設であったが, ドバイのレストランにもシャルジャの魚市場や家畜市場から出荷されていっているのだろう。

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買いに来たというよりも動物を見に来た子供連れの地元の人達も多い。

やぎの値段を聞くと1500ディルハムだという。日本円で五万円ほど。

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舗装のされていない動物市場を抜けて街のモスクまで来ると, モスク横でも沢山の露天商が動物の売買をしていた。

どうやらこのエリアはを扱っているようだ。

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前に読んだ本でイスラム圏の古い街はモスクが最も人の集まるエリアであるため, モスク周辺に露店や小さな店が立ち並ぶことが多いと知っていたが, どうやらシャルジャは伝統文化の街だけあって昔ながらのそうした面影を残しているようだ。

そういえばバーレーンの首都マナーマでもこうした露店市はモスク横で開かれていた。

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足で束ねられて持ち運ばれている鶏はもちろんの事

くじゃくインコなどペット用らしき鳥達も販売されている。

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くじゃくは羽が開かないように檻か袋に入れられている。 

この露店市隣の建物へ入るとここでも動物が販売されている。

どうやらこの建物はと畜の作業場所も兼ねているようだ。

作業自体は外の通路からは見えないようになってはいるものの各部屋へ入っていくのは自由で見ようと思えば簡単にみられる。

そもそも砂漠の民であるこの地域では動物をさばく事に対する偏見など元からなく, むしろ(特に苦しまないようにやらなければならないので)そうした技術を持つものは過酷な自然環境を生き抜くスキルを持つものとして尊敬の対象で見られるとも聞いている。

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ペット用の猫。何となく上品な感じ。

イスラム教では猫は可愛がられるのだが, 犬は忌避されているので売られていない

こういった店舗を構える売る人達とは別に市場の通路を歩きながら通行人を声を掛けて売る人もいた。

猫を売るインド人らしき女性がいたので値段を聞いてみると350ディルハム。一万円ほどであった。

そして何よりファルコンである。興奮しないようにするためか目隠しされている。

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この地域のシンボルで愛好家も多いだけあってファルコンの値段はかなり高いようだ。 

値段を聞いてみると3,000ディルハム。よって日本円で10万円ほどだ。

外にはこれら市場に来る客を見込んでペットフードやペット用グッズを販売する店が建ち並んでいる。

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夕方シャルジャからドバイへと戻る。

晩飯は久々の日本食でKIKUという日本食レストラン。

UAEの中ではリーズナブルに本格的な日本食を味わえるので人気の高い場所だ。

場所はドバイ空港近くのLe Meridien Hotel。

ずっと魚や家畜を見てお腹を空かせていたせいもあって余計に美味しく感じた夕食であった。

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